ディーリア・オーエンズ著 、友廣純訳、
「ザリガニの鳴くところ」を読みました。 
IMG_20240430_155314物語の舞台はノース・カロライナ州の広大な湿地。
人種差別が色濃く残る1950年代からの話しで、
そこに住む「トラッシュ( Trash )」と呼ばれる
貧しい白人達の中の一つの家族から物語は始まります。
louisiana-swamp
父親のジェイクは傷痍軍人で普通の仕事が出来ず
家族は彼の少ない恩給で生活しているのですが、
両親と子供5人の生活は困窮を極めていて
しかも暴力的なジェイクの支配する生活に疲れはて
家族は一人また一人と家を離れて行きます。
そして一番年下のカイア(女の子)が10歳の頃には
とうとう一人だけ小屋に取り残されてしまいます。
孤独と闘いながら沼地の貝を売ったりしながら
何とか生き延びていくカイアでしたが、
兄の友人だった誠実で有能な青年テイトが
時折彼女を助けてくれるようになり、
読み書き等も教えてくれるように・・・
二人だけの時間を共有し互いに好意を抱きながらも
やがてテイトは大学進学のために街を離れる事に。
が、以前から湿地の生き物に強い興味のあった彼女は
勉学に励みながら湿地の生態系について調べ上げ
貴重で膨大な記録を残していくようになります。
(それは後にテイトの助力で本の出版に至るのですが。)
成人したカイアはテイトのいない孤独を埋めるように
チェイスと言う男と付き合うようになりますが、
実は彼が結婚したばかりと言うことを知り破局。
が、そのしばらく後に湿地の火の見櫓の下で
落下死したらしいチェイスが発見されて、
カイアは殺人容疑で裁判にかけられる事になります。

600ページの長編なのですが、
カイアがどうなったのか気になって気になって
あっという間に読んでしまいました。
カイアの孤独を癒し続けた湿地の生き物達の様子が
本当にみずみずしく美しい文章で描かれていて
翻訳でこれほどならば原文はどれだけ素晴らしいのか?
とうっとりするような表現が多かったです。

カイアの底のない孤独がただただ悲しく痛々しく
カイアが賢く聡明な女性なだけに、
育った環境で歪められた部分や欠けてしまった部分、
女性としての悲しみや苦しみも多く描かれているので
決して楽しい物語ではありませんが、
本当に読み応えのある物語でした。
1950年代から1960年代のアメリカの南部の
当時の色々な差別の様子もよくわかります。
超おすすめです。





今日のリス友は、モフモフちゃんです。
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