人魚がドレスに着替えたら

美しい自然がいっぱいの、アメリカ・オレゴン州に住んでいます。 手芸が大好きで、今はせっせと着せ替え人形を作る日々です。 出来上がった人形の紹介や日々の出来事、庭に遊びにくるリス友の様子など、いろんなことを綴っています。

タグ:ハッピーエンド



町田そのこ著「星を掬う」を読みました。
IMG_20240115_103841去年「52ヘルツのクジラたち」を読みましたが、
( 「52ヘルツのクジラたち」を読みました。 )
これも、心に大きな傷を抱えた人々の物語です。

幼い頃に母と別れ、父と祖母に育てられた千鶴は、
母に捨てられたと言う思いを引きずって生きてきた女性。
暴力的な元夫に付き纏われ金を奪われボロボロになって
「もう殺すしかない」と言う所まで追い詰められた時に
美容師の恵真に助けられ、かくまってもらうことに。
連れて行かれた彼女の住まい「さざめきハイツ」で
千鶴は自分を捨てた母と再会する事になるのですが、
その時52歳の母は若年性痴呆症を患っていて・・・
まっすぐな心を持った恵真にも辛い過去があり、
それを救ったのが千鶴の母・聖子だったのでした。
他にも、娘に捨てられた彩子も同居していて、
全員が親子関係につまずいて傷ついてきた者たち。
「捨てられた側」と「捨てた側」の思いがぶつかり
どこにも出口がないように思えるのですが、
4人の共同生活が続くうちに何かが少しずつ変化し
千鶴と聖子の関係も変わって行きます。

これは、「自分の犯した間違いや罪をどう償うのか?
その後どう生きていくのが正しいのか?」
と言う事を考えさせられる物語でもありました。
この物語の中で一番に心に刺さった言葉は、
「加害者が救われようとしてはいけない。
被害者に求められてもいないのに許しを乞うのは、
暴力でしかない。」と言う言葉でした。
私も、自分が誰かを傷つけたと思う時、
楽になりたくて相手に謝った事が何度もあります。
私の謝罪なんて欲しくなかった相手もいたはずで、
黙って良心の呵責に苦しみ続けることだけが
相手への唯一の謝罪になる事もあるのですね。



「シュタルク」人形の続きです。
イラストをもとにこんな風に生地を用意しました。
IMG_20240112_140005この物語も「52ヘルツのクジラたち」と同じく
最後はホッと出来るハッピーエンドの話なのですが、
如何せん、DV、性的虐待、学校・職場でのいじめなど
物語とは言え、息の詰まるような描写も多くて
あまりおすすめの本ではないかも・・・



今日のリス友。
モッフーです。
IMG_0728ライブドアアプリでフォローが出来ます。



樋口有介著「月への梯子」を読みました。
これは長篇ミステリーです。
IMG_20230902_165122物語の主人公は40歳の「ボクさん」。
知能は小学生程度ですが、穏やかで純真な人物で
母親に厳しく仕込まれた日々の暮らし方や処世術で、
母親が残してくれたアパートの管理人をしながら
周りの人々に慕われながら日々平和に暮らしています。
が、ある日屋根のペンキを塗るため梯子を登った時に
窓からアパートの住人が殺害されているのが見え、
気が付けば「ボクさん」は病院のベッドの上・・・
あちこち打撲はあるものの幸い命に別状はなく、
でもその日を境に「ボクさん」に大きな変化が。
頭を打った拍子に知能が年齢相応になったらしく、
今まで見えなかった事知らずに済んでいた事が
色々と見えてくるように・・・
アパートで起きた殺人は内鍵のかかった「密室殺人」
しかも事件直後からアパートの住人5人が全員失踪し、
警察の聞き込みや「ボクさん」自身の調べなどから
住人たちの秘密を少しづつ知ることになります。
それぞれの隠された事情に戸惑いつつも、
殺人事件は無事解決、好きだった隣りの京子とも
なんとなくいい雰囲気になって来て、
ほんわかハッピーエンド〜〜〜と思ったら・・・
最後に「えーーー!!!」とびっくりが待っています。

「ボクさん」は常に温厚で愛されキャラなのですが、
年齢相応の知能になって嬉しいはずの「ボクさん」が
実はそんなに幸せではないという現実が切なく・・・
それまで「ボクさん」の純朴な心で見ていた世界は
実はいろんな嘘や秘密でいっぱいで、
大好きだった幼馴染の京子にも隠し事があって、
温厚なはずの彼が京子に制裁を加える所など、
現実味がありました。


「ヒナタ」人形の続きです。
イラストをもとにこんな風に生地を用意しました。
フッド付きパーカーは作るのに時間がかかりそうです。
IMG_20230819_155317「ボクさん」が年齢相応の知能になってから
女性への興味も開花して色々経験を重ねていく様子が
これまた哀切を含んでいると言うか何と言うか(笑)
ほんわかとした中に激情もチラチラ・・・
読み応えのあるミステリーでした。


今日のリス友はチビリスです。
IMG_9556IMG_9557LINEで更新のお知らせが届きます。



原田マハ著 「カフーを待ちわびて」を読みました。
「たゆたえども沈まず」「さいはての彼女」に続いて
またまた原田マハ氏の作品です。
IMG_20230415_181735「カフー」とは、沖縄・与那喜(よなき)島の方言で
「いい報せ」とか「幸せ」の意味です。

与那喜島(架空の島)出身の明青(あきお)は
他の島民たちと訪れた初めての本土での旅の途中で
ふざけ半分で絵馬に「嫁に来ないか」と書きます。
島の名と自分の名前を添えて・・・
「可愛いお嫁さんが来ますように!」とかではなく
なぜか「嫁に来ないか」の文面・・・
それからしばらく経ってから、明青のもとに
「幸」と言う女性から手紙が届きます。
「絵馬を拝見しました。絵馬の言葉が本当ならば、
私をお嫁さんにしてくださいますか。
近々お訪ねしようと決心しています。」

そうして実際に「幸」は島を訪ねてきて、
明青のうちで居候を始めるのですが、
明青はきつねにつままれたみたいな気持ちと
募って行く恋心に切ない思いをする事に・・・

ピュアすぎる若者のラブストーリーですが、
お互いの生い立ちや明青の右手の障害の事、
友達の思惑や友情、小さなすれ違いやためらいから
なかなかうまくハッピーエンドにならない辺りが
もどかしいような?「これぞ青春だ!」みたいな?
沖縄の美しい景色と優しい風を感じつつ楽しめる
「胸キュンラブストーリー 」でした。
「今すぐ沖縄行きたい!」ってなる事間違いなし!
「今すぐ恋がしたい!」じゃないのか!?(笑)


「ジェシー」完成しました。
最初に用意した帽子は小さ過ぎたので、
大きいのを作り直しました。
元気で可愛いジェシーができて嬉しいです。
IMG_20230324_170516IMG_20230324_170721IMG_20230324_170744IMG_20230324_170848沖縄の言葉や風習なども色々描かれているので
そんなところも興味深く読めました。
「島のものは絶対に外に持ち出してはいけない。」
などの言い伝えもあって「なるほどなあ・・・」
と思っていたのですが「ああああーーー!!!」
6年前に沖縄からアメリカに持ち帰ったものがあるよ?
これ、持ってていいのかなあ・・・?
沖縄本島のとある海岸に遊びに行った時に
そこの有料駐車場兼シャワー小屋のおじさんが
「このビーチではこんな形をした面白い貝が拾えるよ。」
と「サンプル」(笑)を見せてくれたことがあって、
随分探しに探してやっと一つ見つけたのがこの貝・・・
IMG_20230417_183900IMG_20230417_184111IMG_20230417_184226
見たまんま「ピース貝」と呼ばれている様なのですが、
やっと見つけた喜びと見た目のきゃわゆさに興奮して
そのままアメリカに持って来たのですよ。
「島の物を持ち出すと災いがある」らしいのに・・・
おじさん、島の言い伝えを知らなかったのかい!?
むむむ・・・この6年間そう言えば色々あったな。
良い事もあったが悪い事もあった・・・
いや、この貝のせいではないのはわかってます。
仮にこの貝のせいだったとしても、
もう十分にバチは当たった気がするので(笑)
この貝は、シーサーや沖縄の写真を飾ってる所に
一緒に並べておく事にしました。これで許してね。
(今まではお守りとしてお財布に入れていたのです。)

そう言えばハワイでも同じ事がよく言われますよ。
「島のものは小石でも何でも持ち出したらダメ!」と。
万物に魂が宿っていると言う考え方だと、
その魂を勝手に動かすのはダメなんでしょうね。

では最後にみなさんに一言・・・
「チャー カフー アラシミソーリ」
(いつも幸せでありますように。)


今日のリス友は「影」だけで・・・(笑)


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久しぶりに映画を観ました。 
アカデミー賞3部門受賞した「コーダあいのうた」
あらすじはこんな感じです。
これから観ようと思っている方はとばして下さいね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
両親と兄と暮らす高校生の女の子・ルビーは
家族の中で唯一の健聴者で、ずっと家族の通訳として
生活も家族の仕事(漁業)も手伝ってきた優しい子。
片思い中の男の子と同じコーラスの授業を取ったことで
彼女の「歌の才能」が開花して・・・
両親の反対、彼氏との喧嘩などすったもんだはあるものの
無事、夢の音楽学校進学が決まって家を出て自立、
残された家族は彼女なしの生活を模索し始めると言う
めでたしめでたしのハッピーエンド〜〜〜
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
家族の絆を描いていて心温まるストーリーだったし
映像も綺麗で役者さんも皆上手でした・・・でも・・・
この映画を既に観た方がいたら感想を聞きたいのですが
私の率直な感想は「ちょっとつまらなかった。」
どこがどう悪いと言う話ではなくて、
最初から最後までず〜〜〜っと感じる「既視感」
これがダメだったと言う感じです。
あれ?このシーン、このアングル、このストーリー展開、
いちいちもう既にどこかで何度も見た感じがして
新しさがほとんどなかったと言ったらいいか・・・
映画に詳しくもない私が偉そうな事言えませんが、
この映画に関してはそんな感想を持ちました。
本当にアカデミー賞受賞作品なのかなあ? 


今日の人形は水玉模様のビキニが可愛いこの子です。
この人形のビキニも本体に縫いつけてあります。
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その時の精神状態によっても
受け止め方がだいぶ違ってくるので、
しばらく経って観てみたらまた違うのかも・・・
ちなみにこの映画を観た時の精神状態は、
・・・・・かなり悪かったです。
あ、でもルビーが手話をしながら歌うシーンでは
ちょっとうるっときてしまいましたが・・・
(ちゃんと感動してるじゃないの! )
これから観ようと思っている人には
余計なこと言っちゃったかなあ?・・・もう遅いな。


今日は鳥友です。
「Grosbeak」と言う鳥のオスです。
この名前の意味は「大きなクチバシ」だそうです。
頭頂の黄色の羽毛がすごくかっこいい!!!
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