木内昇著「茗荷谷の猫」を読みました。
IMG_20240516_125402これまで木内昇氏の小説を色々読みましたが、
最近読んだ本は全て「何かに熱中する人」の話で
それぞれにストーリーは大きく違っていても、
主人公が常軌を逸して何かにのめり込むのは同じで
そう言う物語はどれを選んでも本当に面白いなあと
今回この本を読んでまたしみじみしました。
( 木内昇著「櫛引道守」を読みました。 )
( 木内昇著「球道恋々」を読みました。 )
( 木内昇著「光炎の人(上・下)を読みました。 )

この物語は、幕末から昭和にかけ、江戸/東京に生きた
名もなき人々の生き様を描いた短編集です。

 植物が大好きで、遂には武士の身分を捨てて
植木職人になった男は、苦心の末に「染井吉野」を作り
末長く皆に愛される桜を作ることに成功するのですが、
名声や金に興味のない男は妻の複雑な思いもよそに
職人としての道を邁進するのでしたが・・・
 皆を幸せにする「黒焼」の秘薬を作ると言う夢を掲げ
一人試作を続ける春造は、夢を人に語るたびに呆れられ
それでも秘薬の完成のために極貧に耐えながらも
黒焼を続けるのでしたが・・・
 父からの遺産で茗荷谷に一軒家を買った男は、
贅沢をしなければ一生のんびり暮らして行けると判断して、
面倒な人付き合いを極力排除して生きる道を選ぶのですが
彼の言動が周りの人々の誤解をよんで、
静かなはずの彼の生活が思いもよらぬ方向へ・・・
 いつかは自分で映画を作ると言う夢を掲げて、
街の映画館で働く「庄助さん」は、素直で邪気のない青年。
不器用なため仕事ぶりは褒められたものではないものの、
皆に愛されていた「庄助さん」ですが、
召集令状が来て彼も戦地へと赴くことに・・・

歴史に名を残す人々ではない普通の人々の話ですが、
一様に滑稽なほどのひたむきさや思い込みが
どれも究極の「涙」や「笑い」に変わる物語でした。
ちょっと不思議な感覚に陥る短編もありましたが、
身につまされる部分も多くあり、面白く読めました。




「リムル」人形、完成しました。
刀は割り箸で作ったのですが、ちょっと細すぎた?
IMG_20240515_160038IMG_20240516_174819IMG_20240516_175020命が終われば時間と共に忘れ去られる人々で
この世界は出来ている・・・
人々の熱い願いや夢も多くの場合は叶わないまま。
でも、こんな物語を読むと「だから良いのだ!」
とも思えてくるし、これが自然なのだと思えます。
何かに夢中な人は往々にして滑稽なものかも知れず、
その滑稽さが実はその人の最大の魅力にもなり得て
面白いものですよね。




今日のリス友。
久しぶりのチビリスです。
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