澤田瞳子著「輝山」を読みました。
IMG_20240115_103742この物語は、島根県の石見銀山で働く堀子たちや
彼らを取り巻く人々の生き様を描いたものです。
石見銀山は戦国時代から江戸初期までが最盛期らしく
でもこの物語は江戸後期の弘化年間の話・・・
物語の舞台が銀山だからか、この本を読んでいる間中
いつも薄暗い中で一人歩みを進めているような
そんな感覚が続きました。

銀山で常に危険と隣り合わせで働く堀子達ですが、
その過酷な労働環境から、ほとんどの堀子達は
「気絶(けだえ)」に罹って40歳前に亡くなる定め。
それでも、いやその運命を静かに受け入れているからこそ
日々の労働や生活に対する彼らの熱量は圧倒的に高く、
石見銀山周辺の街は昼夜問わず活気に溢れているのでした。

で、この物語の主人公は堀子ではなく「金吾」と言う男。
石見国大森代官所に江戸から派遣された中間です。
金吾は、かつての上役・小出儀十郎からの密命を帯び
大森代官所の代官・岩田鍬次郎の身辺を探っているのですが
岩田の失態を期待しているらしい小出の意に反して、
岩田鍬次郎は切れ者として石見銀山の秩序を守り通します。

金吾の目を通して、堀子達の思い、代官所の人々の生き様が
それぞれに生き生きと描かれていきますが、
人が「銀山=宝の山」と言う特殊な環境に生活する時、
嫌でもそれぞれ本当の姿が露わになってくるものらしく、
金吾は特に、堀子の「与平次」のひたむきさ懸命さに触れ
自身も石見銀山のそばで大きく変わっていくのでした。

本作は「直木賞受賞」作品という事で
物語自体はとても良かったし楽しめたのですが、
途中から文章がちょっとくどい感じがしてきて、
大感動!とまではいきませんでした。
でもこれはもう完全に好みの問題だと思うので、
「輝山」ぜひぜひ読んでみてください。

最後に、与平次が金吾に言った言葉で締めくくります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人ってのはいずれ、会った奴とは別れなきゃならねえんだ。
だったらせめて、この先のお互いの無事を願いながら、
別れようじゃねえか。
生きてる者同士が二度と会えなくなるってのはよ、
お互いが死んじまうのも同然だろう。
だとすりゃあ誰かが死んじまった時も、
そいつはただ旅に出ただけだ、
どこか遠くで元気にやっていると考えりゃ、
ただそいつの幸せだけを願っていられるじゃねえか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




今日のリス友。
木蓮の木の影から顔を出しているピコチン君です。
今日もほんと可愛いよ〜〜〜 
IMG_0878(今日は人形の紹介はありません。)

ライブドアアプリでフォローが出来ます。