塩田武士著「罪の声」を読みました。

ストーリーを知っている人も多いかもしれません。
「テーラー曽根」を営む曽根俊也(30代半ば)は
ある時、古いカセットテープを見つけます。
再生してみると、自分の幼い頃の声が録音されていて
それは昔日本中を震撼させた脅迫事件に使われた
男児の声と全く同じものだったのです。
悩んだ末、亡き父の友人でもある堀田信二に相談し
何か心当たりのあるらしい堀田と共に、
すでに時効となった事件の真相を探り始めます。
「なぜ自分の声が当時の犯行に使われたのか?
自分は犯罪に関わっていたのだろうか・・・?」
全てを失いそうな恐怖に苦しめられながらも、
当時誰も行き着くことのできなかった真相に
俊也は堀田と共に近づいて行く事に・・・
一方、新聞社の記者・阿久津英士(30代半ば)も
この未解決事件を探る仕事を上司から押し付けられ、
捜査の末にやがて俊也に行き着くのですが・・・
俊也は他にも二人の子供の声が使われた事を知り
その二人の行方も探すのですが、
明かされる二人のその後の人生の過酷さ残酷さは
読んでいて本当に辛かったです。
この事件は社会を恐怖に陥れた罪深いものでしたが、
犯人らが身勝手に利用し子供達に負わせたもの、
その子供達の人生を残酷に狂わせた事こそが
この事件の本当の罪だったのではと思わされました。
これは「グリコ・森永事件」をモデルにしており、
多くの場面で史実通りに再現されているので、
リアリティが半端なく本当に読み応えがありました。
楽しい話ではありませんが、おすすめです。
今日はウサ友です。🐰🐰🐰
久しぶりに庭に遊びに来てくれました。




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