人魚がドレスに着替えたら

美しい自然がいっぱいの、アメリカ・オレゴン州に住んでいます。 手芸が大好きで、今はせっせと着せ替え人形を作る日々です。 出来上がった人形の紹介や日々の出来事、庭に遊びにくるリス友の様子など、いろんなことを綴っています。

カテゴリ:私の日常や日々のこと > 本を読んだ感想



朝井まかて著「グッドバイ」を読みました。
20260210_104149この著者の作品は「すかたん」「雲上雲下」「恋歌」
「先生のお庭番」「 銀の猫」などを読みましたが、
今回の物語も本当に良かったです。大感動!😭😭😭

物語の舞台は、幕末の長崎・油屋町(あぶらやまち)
大店油商・大浦屋の女主人、大浦慶が主人公です。
実在した人物をモデルに描かれた物語なのですが、
激動のあの時代にこんな豪胆な女性がいたのか!?
と感動に次ぐ感動の物語でした。

慶はたった17歳の時に「油商・大浦屋」を継ぎ
迎えた婿とは結婚後7日もしないうちに離縁(笑)
後は、大番頭らと共に家業に精を出しますが、
ある時から茶葉を外国に売る商売を始め(=違法)
瞬く間に大きな富を得る事になります。
オランダやイギリスの商人達と対等に交流し、
慶の判断は大胆でありながら仕事ぶりは誠実で
圧倒的な信頼を得ていくようにもなります。

財力を生かし、祭の一切の費用を負担したり、
坂本龍馬などの時代の傑物達を援助をしたり、
時代が大きくうねって変わっていく時に
慶自身も大きく前に前にと進んでいくのでしたが、
ある時は詐欺にあい巨額の負債を抱える事に・・・

成功も失敗もとにかく桁外れな女傑の物語ですが、
単なる成功物語ではないのがとても良かったです。
唯一外国交易が許されていた長崎の独特な雰囲気と
当時の激動の時代背景が重なって、何とも言えない
強烈な高揚感、焦燥感、不安感、切迫感などなど
普段はほとんど感じる事のない感情に包まれます。
長崎の言葉、龍馬の土佐弁、異人の話す日本語など
それぞれの言葉の響きもとても良かったです。
これは、超超超おすすめです。😆😆😆

では最後に、龍馬と大番頭さんの言葉を・・・
「人は皆、志半ばで死なんとならんですきね。
 生きちょる間にすべてを遂げて死ぬるなぞ、
 土台が無理な話じゃ。
 けど、その魂を生き残った者が引き継ぐ事はできる」
「しくじらん人間なんてこの世のどこにおっと。
 皆失敗ば重ねて恥や悔いで胸ん中の真っ黒になっても
 そいば抱えて生きとっとじゃなかね。」😭😭😭😭😭




今日のリス友は、チビリスです。
毎日!ここに来ています。(笑)
20260210_103938ライブドアアプリでフォローが出来ます。




町田そのこ著「コンビニ兄弟」を読みました。
20260206_091220この著者の作品は以前にも何作か読んでいますが、
「52ヘルツのクジラたち」「わたしの知る花」など
登場人物の背景がかなり重い物語が多い印象でした。
でもこの物語は、コンビニ店員やそこに集う客たちの
心温まる交流が描かれ気持ちがほっこりする内容で
続編も読んでみたくなっています。

本の題名は「コンビニ兄弟」とありますが、
主人公は5人兄弟の中の三男・志波三彦、30歳。
九州だけに展開するコンビニ「テンダネス」の
「門司港こがね村店」の名物店長です。
なぜ名物なのかと言えば、本人も多分自覚のないままに
四六時中垂れ流される圧倒的フェロモンに 😆😆😆
多くの人が魅了され離れられなくなってしまうから。
女子中高生には存在自体がセクハラとドン引きされる程、
ある層にはキツすぎる特別な何かを放つ店長です。
「仕事間違えたんじゃね?」と思われそうですが、
志波の仕事ぶりは超勤勉で、そのギャップにやられ
老若男女を問わず次々と籠絡されていくのでした。(笑)

と言う楽しい設定なので、とにかく面白いのですよ。
一緒に働く店員や常連さん、志波推しの婦人会の皆さん、
それぞれに悩みや悲しみを秘めながらも奮闘する姿に
志波や兄たちが寄り添い、多くが救われていく物語は
本当に心癒されるものでした。おすすめの本です。

で、ふと「フェロモンダダ漏れ人間」ってどんな人?
私の人生で会った事あるかなあ?と考えてみましたが、
残念ながら私の記憶にそんな人はおらず・・・
きっと芸能人とかにはそう言う人も多いのかな?
たまに見る分には良いでしょうけどね・・・😆😆😆
皆さんが思い浮かべる「フェロモン族」ってどんな人?
すぐに頭に浮かんだ人は幸せじゃないですか?(笑)

ところで、この物語の舞台になった「門司港」ですが、
今夏の九州旅行を最近ずっと計画している私にとっては
気になる観光地として急浮上して来ましたよ。
この本を読むまで「北九州方面までは無理か?」なんて
漠然と観光地から外していたのですよ。
でも、この物語で描かれるレトロな門司港の景観や
おしゃれスポットがとても魅力的で・・・
無理やり旅程に詰め込もうかと思っている所です。
でも同時に、今春この本がドラマ化されると知り
「え?ドラマの影響で観光客爆増してたりして?」
と迷い始めてもいます。
行くのか行かないのか、どっちなんだい!?😅😅😅




今日のリス友。
モッフー?ポコチン君?分かりません。😅😅😅
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吉田修一著「路(ルウ)」を読みました。
20260203_094406今年に入ってからまだ人形作りの方には戻っておらず
代わりに夏の旅行計画などで時間を使っていますが、
他は読書と選挙関連動画視聴に費やしていて(笑)
気が付けば今回読んだ本で今年8冊目となりました。
私としてはかなりのハイペースで読み進めています。
と言うのも、先日まとめ買いした本がどれも面白くて
「次はこれ!」と次々と手に取っているからで、
今回の「路(ルウ)」も読後感は最高でした。

この物語は、「2007年台湾に日本製新幹線が開通!」
の実際の出来事を軸にしたフィクションなのですが、
私はこの本を読むまでその事実を知りませんでした。
日本の新幹線を初導入した台湾での物語と言う事で
最初から最後まで本当に興味深く読みました。

物語の主人公は商社で働く多田春香。(25歳?)
台湾新幹線事業に伴い台湾支局へ転勤となります。
東京に住む恋人と遠距離恋愛をしながら
新幹線開通までの約7年間のほとんどを台湾で過ごし
多くの人々との関わりを通して成長していく物語です。

異国で心身のバランスを崩しつつも奮闘する同僚や
その彼をおおらかに支え続ける台湾女性の存在、
台湾に生まれ戦後日本に引き上げた男性の郷愁と後悔、
春香が昔一人旅で知り合った台湾男性との再会など、
台湾と日本を繋いだ優しく切ない物語が交錯して
最後は清々しい読後感に包まれる物語でした。

一番良かった場面は、春香と台湾男性・人豪が再会後
少しずつ思いを伝えて二人の将来を作っていく場面で
これがねえ、なんとも言えずロマンチックで胸キュン!
切ないすれ違いを繰り返した末の再会&再出発なのに
いきなりハグ!とかブチュー💋とかがないのが
逆にとってもいい感じなのですよ。😆😆😆
うおーーーこんな恋してみてーーー!ってなる。(笑)

そして南国台湾の人々のおおらかさや優しさが
亜熱帯の緑滴る風景や賑やかな街並みとともに
じわじわ深く染み込んでくる感じも良かったです。
台湾って本当に魅力に溢れた所ですよねえ・・・
この本を読んで今すぐにでも行きたくなりました。
「最近心がカラカラに乾いているわ」なんて人には
超おすすめの素敵な物語でした。🩷🩷🩷




今日のリス友。チビリスです。
今日もクルミをゲットしたら即貯蔵庫へ!😆😆😆
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塩田武士著「崩壊」を読みました。 
20260131_123612この著者の作品は以前2作読んでいますが、
どちらも犯罪の絡んだ物語で、社会の構造の歪みを
問いかけてくる作品でした。
( 「罪の声」を読みました。 )
( 「存在のすべてを」を読みました。 )

今回の物語も犯罪がからみ、関西のある地方都市で
市議会議長が殺害された事から始まります。
地元では一部黒い噂もあった市議会議員の殺害、
所轄刑事・本宮(50歳)は若手の平原優子と組み
容疑者の割り出しに全力を尽くします。
汚職にまつわる暴力団が関係した犯行なのか?
個人的な恨みが原因の犯行なのか?

捜査の過程で明らかになって行く遺族の秘密や暗部、
事件さえなければ語られるはずもなかった人々の思い、
家族の犯した犯罪のため人生を狂わされた者の声など、
事件の真相を探るうちに、刑事である本宮自身も、
長く封印してきた過去と向き合うことになります。
そして相棒・平原優子がこれまで辿ってきた人生や
有能なだけではない彼女の内面を知る事にも。

犯罪が絡んだ謎解きミステリーではないので
「犯人を炙り出す」というワクワクはないのですが
その代わり人間の過去や暗い部分が炙り出され
同時に社会の歪みや問題も多く炙り出されて
今回も考えさせられる事が多かったです。

一度犯罪を犯せば、残された家族も同罪とばかり
世間から非難され未来も潰されて行く社会とは
健全な社会とは言えないのではないか?
ましてや残された家族が子供だった場合は
彼らは「被害者」と同等なのではないだろうか?
一度きりの過ちで、立ち直る事を許さない社会とは
誰にとっても生きづらい社会なのではないか?
・・・色々と考えさせられる物語でした。

自分がこれまで犯罪を犯さずに済んでいるのは
良い偶然が重なった結果だと思う事もあります。
逆に、ある種の犯罪は悪い偶然が重なった結果かも?
と思ったりもするのです。
誰かの笑顔や一言に救われる人もいるのだと思えば
自分自身を心身ともに出来るだけ健康に保って
常に善意の人でありたいと思うのです。




今日のリス友は、モフモフちゃんです。
前回はひまわりの種を取り損ねたのですが、
今回はムッチムチボディにさらに鞭打って(笑)
なんとか数粒の種をゲットする事に成功しました。
もう必死です!モッフー頑張ったね!😆😆😆
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青山美智子著「月の立つ林で」を読みました。 
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過去に同じ著者の本を3〜4冊読んでいますが、
一番最近のは「人魚が逃げた」でした。
( 「人魚が逃げた」を読みました。 )
どの物語も、多くの人が感じている日々の鬱屈や
誰にも言えないまま抱え続けた切ない思いなどを
優しくほぐして勇気をくれるものばかりで、
今回の物語もやはり読後感がとても良かったです。

これは5章からなる連作短編物語なのですが、
これらの章の登場人物たちに共通しているのは
ポッドキャスト「ツキない話」を聴いている事。
穏やかな声で毎日語られる「月」に関する話は
間接的に彼らの心を慰めたり誤解を解いたり
新しい一歩を踏み出す力を与えてくれたりします。

長年勤めた病院で人間関係につまずき自信をなくし
仕事を辞めた元看護師の怜花、40歳。
コンビ解消後もお笑い芸人になる事を諦めきれず
バイトを続けながら奮闘を続ける重太郎、30歳。
一人娘が急にデキ婚で遠くに引っ越してしまい
「なんだよっ!」ってなってる父・高羽、56歳。
両親の離婚後、母と暮らす高校3年生の那智は
高校卒業後の自活を目指し行動を起こしますが・・・
ハンドメイド作品が人気となり多忙になると同時に
夫との関係が微妙になっていく20代後半のMina。

この5人の登場人物たちが少しずつ関わり合いながら
昨日とは少し違う新しい今日を見つけて行きます。
それぞれの物語が「月」の満ち欠けのように変化して
静かに紡がれて行く感じがとても心地よい物語で、
月光の青い光を感じながら読み進む感じです。
そしてひっそりと勇気や癒しがもらえる感じも
とても良かったです。オススメです。

「月」にまつわる話も色々紹介されていましたが、
事の大小に関わらず新しい事を始める時には
「新月」の日を選ぶと良いそうですね。
野菜や花の種を蒔く日も新月日を選ぶとよく育つとか
新月日に始めた習慣は続きやすいとか・・・
ちなみに「月が立つ」とは、「旧暦の新月を過ぎて、
最初の月が見え始める事で新しい月が始まる事を指す」
言葉なのだそうです。
そして「つきだち」が「ついたち」に転じたのだそう。




今日のリス友。
チビリスのドアップです。ズン!
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坂木司著「和菓子のアン」を読みました。
20260121_105928この前に読んだ本が「イクサガミ・天」と言う本で、
殺し合いの連続の血みどろデスゲーム物語だったので
今度はほっこり系が読みたいなと思い選んだ本です。

と言う事で、無事ほっこりしました〜〜〜😆😆😆
何でしょう、この温かく穏やかな読後感は?
特別うんと楽しかったり嬉しい事が起きなくても
クスッと笑ったり切なくなったりちょっと泣いたりの
心の振り幅は小さ目、でもじんわりと幸せな日々は
実は得難いものだと改めて感じさせられました。

物語の主人公は、梅本杏子(通称アンちゃん)18歳。
高校卒業後、近くのデパ地下の和菓子店「みつ屋」で
アルバイトとして働き始めます。
ぽっちゃり体型で、色白ふわふわのアンちゃんは、
和菓子に例えるなら「大福」みたいな女の子です。
(我知らず周りをほっこり幸せにしている女の子。)
和菓子についての知識が全くないままに働き始めますが、
歴史と遊び心いっぱいの和菓子の魅力に惹かれて行き
毎日の仕事を心から楽しむようになります。
26a仕事のできる美しい椿店長は、中身はおっさんとか、
細身でイケメンの立花氏が、実は超絶乙女だったり、
同じアルバイトの桜井さんは元ヤン女子・・・
個性的な面々と一緒に働きながら知識を増やし
生菓子にはそれぞれに素敵な物語がある事を知り、
同時に椿店長から何かを感じ取って行くアンちゃん。
椿店長の「待ち人」ってどんな人?
いや、そもそもそんな人がいるのか!?

客の言動から背景を読み取り、求められている菓子を
瞬時に判断する事のできる店長と仕事をしながら
そして、客自身が秘めている謎を皆で解きながら、
椿店長が秘めている真相に近づいて行きます。

和菓子にまつわるロマンチックな物語だけでなく
謎解きも含まれた「お仕事ミステリー」です。
この本を読んだら急に和菓子が食べたくなりました。
それも急に通ぶって「今月の和菓子」を!😆😆😆
和菓子にはこんなにも素敵な物語があったのか!?
和菓子で密かに思いを伝える事も可能なのか!?
茶道でもやっている人なら詳しいのでしょうが、
私は完全に門外漢で、目から鱗の事ばかりでした。
読後は和菓子屋さんに走りたくなる事間違いなしの
とても素敵な物語で、おすすめです。




今日のリス友。
鬼皮を剥いた栗を咥えているチビリスです。
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今村翔吾著「イクサガミ・天」を読みました。
20260117_104150去年すでに Netflix で映像化されているようなので
ストーリーを知っている人も多いかもしれません。
金に糸目をつけない事で有名な(笑)Netflixらしく
キャストも、もうもうもう豪華ですよ〜〜〜
原作のキャラに合わせた配役も上手いです。👍👍👍



この本は武士物語?と思い買ってみたのですが、
思っていた内容とはちょっと違いました。
(私は侍とか武士物語が大好きなのですよ。)
内容がとにかく殺し合いに次ぐ殺し合い。
切られた首ポーーーン、血しぶきドババーーーン、
みたいな漫画の世界を見るようなデスゲーム物語。
でも非現実的な設定なために逆に感情移入せずに
単純にストーリーを楽しめるエンタメ性があります。

物語が始まるのは、明治11年の京都・天龍寺。
「武技ニ優レタル者。本年五月五日、午前零時。
 京都天龍寺境内ニ参集セヨ。
 金十万円ヲ得ル機会ヲ与フ。」
同年2月に、この文言が豊国新聞に掲載され
半信半疑のままに292人の侍らが集結します。
時代も変わり無用の烙印を押され困窮を極めていた
多くの侍に与えられた一攫千金のチャンスですが、
そのゲームの名は「蠱毒(こどく)」・・・
各自に配られた木札を「一点」と見なして
決められた点数を奪い合いながら関所を通過し
東京まで辿り着くと言う仰天ルールです。
20260117_110110主人公は嵯峨愁二郎。コロリに罹った妻と子供のため
同時に女医である妻と共に市井の人々を救うためにも
一刻も早く多くの金が欲しい愁二郎なのでしたが、
母のため蠱毒に参加した12歳の双葉を見捨てられず
双葉を守りながらの過酷な旅が始まる事に・・・
旅を続けるうちに武技に劣る者は早々に淘汰され、
化物級の技を持つ者だけが自ずと残っていく事になり
その戦いは急速に熾烈になっていきます。

これは連作ものなので、まずは一巻目を読んでから
次を読むかどうかを決めようと思っていました。
本作では「三河国池鯉鮒」手前の「宮」までなので
東京・日本橋までまだまだ先が長い・・・
一巻目で既に超血みどろの戦いが繰り広げられて
「この先どんな残酷な展開になってしまうの!?」
という感じなのですが、これ本当エンタメ性抜群で
超ドライにストーリーが楽しめます。
と言う訳で、残りの3巻も購入決定!ですが、
私は映像化されたものは多分観ないかな?
本の中でドライにこのデスゲームを見届けようかと
思っています。




今日のリス友。
今日もきゃわゆいチビリスです。
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杉井光著「世界でいちばん透きとおった物語」 
を読みました。
20260113_090028本の帯に「電子書籍化絶対不可能!?」とか
「『紙の本でしか』体験できない感動がある!」とか
「絶対に予測不能な衝撃のラスト、ネタバレ厳禁!」
など、気になる言葉が色々並んでいます。
「どんなすごい仕掛けが!?」と読み進めましたが
確かに最後は「ええええええ!!!」でした。😆😆😆
これは本当、紙の本じゃないとできない仕掛けで、
よくぞまあ、こんなすごい仕掛け&物語を考えて
実際に本にしたものだとただただ感動しましたよ。

物語の主人公は藤阪燈真(とうま)20歳。
父は宮内彰吾と言う大御所ミステリ作家なのですが、
母が宮内との不倫の末に生まれた子供だったために
父の存在は知っていても一度も会う事もないままに
燈真は大人になります。
が、宮内が癌闘病の末亡くなった事をきっかけに
宮内の長男から突然連絡が入ります。
(燈真の母は2年前にすでに事故で死去。)
宮内が病床で最後の作品を書き上げていたらしく
その題名が「世界でいちばん透きとおった物語」で
でも、どこを探してもその原稿は見つからず、
最後に燈真の所に問い合わせて来たのでした。

一度も会った事もない父の遺作(?)を探すために
燈真は、宮内と付き合いのあった人々から話を聞き
その原稿のありかを探る事になります。
それは燈真が母や宮内の事を知る機会にもなり・・・
「世界でいちばん透きとおった物語」の題名の意味、
書かれた理由など、謎解きの要素も含まれているので
これは・・・ミステリ小説と呼んで良いのかな?

で、物語のストーリー展開も十分に楽しめるのですが
この本全体の仕掛けがねえ・・・超びっくりでした。
確かに世界でいちばん「透きとおった」物語ですよ。
ストーリーと「紙の本を使った物理的な仕掛け」を
一部の狂いもなく一致させて仕上げたところが、
いやもう凄すぎました。😅😅😅
ちょっと何言ってるかわからない???😆😆😆
ま、「ネタバレ厳禁」ですから詳しい事は言えません。
実際に読んで「何それ?本当に?ぎゃーーー!!!」
って思い切りのけぞって下さいね。(笑)




今日のリス友も、チビリスです。
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吉田修一著「横道世之介」を読みました。 
20260108_091942この著者の作品を読むのはこれで二作目ですが、
一作目の「国宝」がすごい感動的だったので
この作品もかなり期待して読みました。
帯を見たらすでに2013年に映画化されていて
高良健吾さん、吉高由里子さんらが出演のようです。
せっかくなので予告をちらっと観てみましたが、
個性的で魅力的な若者が多く登場する物語のせいか、
本を読む過程で「自分の世之介」が出来上がっていて
「映画の世之介」と「自分の世之介」を重ねるのが
微妙に難しく感じました。あるあるですね?😅😅😅

帯にもある通り世之介・18歳の青春記なのですが、
描かれるのは世之介が長崎から東京に出て来てからの
一年間に出会った人々とのあれこれ・・・
大学進学のために東京に出て来た世之介ですが、
生来のお気楽&押しには弱いが真っ直ぐな性格で
人々に笑いと安息のようなものを与えていきます。
サンバクラブへの強制入部、友人の想定外の結婚、
ゲイの友人宅に夏季限定の居候、お嬢様との恋など、
世之介の人見知りしない性格がそうさせるのか、
人々は知らぬ間に世之介に癒されていて・・・

彼の最大の魅力は等身大の自分を知っている事。
それ以上でもそれ以下でもない自分を受容していて
だからどんな人にもどんな事にも正面から向き合えて
そのまま受け入れるしなやかな強さがあるのです。
本人すらもそれを強さや美徳とは自覚しておらず、
なんだか飄々としたおかしみで溢れた人間・・・
目指しても簡単には辿り着けない所にいる気がして
私が一番、こんな人になれたらと思うタイプの人、
それが「横道世之介」でした。

18歳の若い男子の青春そのものの物語でしたが
還暦過ぎおばさんでもすごい楽しめました。
読後感は清々しく最高なので超おすすめですが、
最後の最後のページでは号泣必至ですよ。😭😭😭




今日のリス友は、雨の日のチビリスです。
20260107_12404420260107_124033ライブドアアプリでフォローが出来ます。




逢坂冬馬著「同志少女よ、敵を撃て」を読みました。 
20260104_110248約600ページの長編で読了に時間がかかりましたが
いやもう、すっごい物語でした。本当凄かった!
第二次世界大戦時のロシア対ナチス戦が詳しく描かれ
当時の戦術、武器、軍人の実態などの詳細に至っては
「どれだけの文献を読んだらこんな物語が書けるの?」
と最初から最後まで驚愕しっぱなしでした。
他国同士の戦争について超詳しく描かれているので、
「これって訳本だった?」と思う事もしばしば、
でもれっきとした日本人作家の作品です。
「すぐそばで見てた?」と思うような描写ばかりで
もうそれだけでも読む価値はある物語でした。

主人公のセラフィマは、ロシアに住む16歳の少女。
ある日突然ドイツ軍に母を含む村人全員が惨殺され、
彼女だけが赤軍女性兵士に救出され生き延びます。
その後、セラフィマは特殊部隊で厳しい教練を受け
「女性だけで構成された狙撃兵部隊」の一人に・・・
その構成員全員が家族を殺され一人になった少女達で
中には子供を全員殺された若き母だった女性も。

母や村人達の仇を討つためと言う目的のために、
一人また一人と倒して行くセラフィマでしたが、
敵を仕留めるたびに高揚感を感じるようになり、
戦争という魔物に自分が変えられて行く現実や
自分が向かう先には何もない絶望に目を瞑って
ひたすら敵を倒し続けるのでした。

この物語は第二次世界大戦の史実に基づいており
世界中のその膨大な死者の数や底のない残虐さには
もう言葉を失うしかなくなります。
戦争の勝者も敗者もいつも「男の姿」をしていて
地獄の中泣き戦い死んで行った「女達の姿」は
なかった事にされて行く世界・・・
セラフィマがその世界の中で気高く生き続けた事が
この物語の最高の救いでした。

ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ大量虐殺、
昨日はアメリカ軍がベネズエラ大統領を拘束したとか
世界中で常に戦争や争い事が起きている昨今、
この物語は本当に考えさせられる物語でしたが、
ここに登場する女性狙撃兵達の気高さには
ただただ心がしんと静まるような深い感動があって、
私は「超〜オススメです!」と言いたいです。
ただ、重めの物語なので好みが分かれそうですが。




今日のリス友。チビさんです。
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