人魚がドレスに着替えたら

美しい自然がいっぱいの、アメリカ・オレゴン州に住んでいます。 手芸が大好きで、今はせっせと着せ替え人形を作る日々です。 出来上がった人形の紹介や日々の出来事、庭に遊びにくるリス友の様子など、いろんなことを綴っています。

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高野秀行著「アヘン王国潜入記」を読みました。
IMG_20250410_110925辺境旅をこよなく愛する高野秀行氏自身が
「自分の背骨」と評するこのノンフィクションは
本当に読み応えがあり楽しめました。
高野氏の著書はこれまでこんなのを読んでます。

「異国トーキョー漂流記」を読みました。
「辺境メシ」を読みました。
「語学の天才まで一億光年」を読みました。

高野氏が「アヘン王国」に潜入したのは1995年の事。
なのでもう30年も前の話になるのですが、
当時世界最大の「麻薬地帯」とよばれていた
中国との国境地帯にあるビルマの「ワ州」のとある村に
紹介人と世話人の力を借りて半年間滞在した実話です。
恐らく後にも先にも、全くの外部の者が半年間もの間
ケシ栽培からアヘンの収穫まで徹底的にかかわり、
ついでにアヘン中毒になった人間は高野氏一人と思われ
辺境ノンフィクションの極みでした。😆😆😆

高野氏の文章を拝借すると・・・
「アヘンを得るためにケシ栽培をおこなう。
といえば、いったいどんなまがまがしいことが
おこなわれているかと思うだろう。
何か想像を絶するような事が経験できるのではないかと
漠然と期待していた。
たしかに現実は私の想像を絶していた。
ケシ栽培とは毎日毎日が草むしりだったのである。」

文字すら持たない辺境の人々と共に半年間暮らし、
基本女性の仕事と思われている「草むしり」をして
ケシを育てて最後は「自分の」アヘンをゲット!
「えーーーやっぱり本当にアヘンを吸うのか!?」
とこちらはドン引きしてしまうのですが、
高野氏が本格的に中毒になったきっかけは
頭痛や腹痛を治すために「薬」として吸った事・・・
その煙のこの世のものとは思えない芳しい香りとか
夢と現実の狭間をふわふわと漂う心地よさなど、
高野氏の形容するアヘンの魅力のようなものは
イメージしていたものとはちょっと違いました。
結局は、アヘン中毒ビギナー(笑)だった高野氏は
村を離れる事で案外簡単に中毒から抜け出すのですが
高野氏が本当に恋しかったのは村人たちとの交流で
別れの場面はもらい泣きでした。😭😭😭

当時その辺境地は国の情勢もあり複雑で生活も極貧、
先進国に住む人間には過酷以外の何ものでもなく、
高野氏だからこそ出来た経験であったろうと
今回もしみじみしてしまいました。
冒険ノンフィクション系が好きな方にオススメです。




猫のキーチェーンの第二弾です。
今回はブルー系でまとめました。
IMG_20250410_112852IMG_20250410_112858IMG_20250410_112802このアヘン、モルヒネの原料なだけあって
体調不良の時に吸うと一発で良くなるらしいのです。
使い始めならば持続時間も一昼夜続くらしく・・・
今現在世界中で使われている医療用モルヒネは
今でもその「麻薬地帯」で作られているのかなあ?

高野氏が当時その村で日々交流のあった人々も
多くの人はまだまだ健在なはずで、
今は一体どんな生活を送っているのだろうか?
とついつい思いを馳せてしまいましたよ。😐😐😐




今日のリス友は、ポコチン君です。
クルミをぺろりんちょ。🤣🤣🤣
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垣谷美雨著「リセット」を読みました。 
IMG_20250109_091725以前にも同じ著者の作品を二作読んでいるのですが、
今回の物語も挫折と希望を描いたとてもいい作品でした。
( 「懲役病棟」を読みました。 )
( 「希望病棟」を読みました。 )

「病棟シリーズ」には、患者の心や過去が見えてくる
不思議な「聴診器」が登場しますが、今回の物語には
過去に戻る手引きをしてくれる「喫茶店」が登場します。
なのでちょっと荒唐無稽な設定ではあるのですが、
最後まで「分かる〜〜〜」ってなりながら読みました。

物語には知子、薫、晴美の三人の女性が登場しますが、
三人は高校の同級生で、卒業後は全く交流のないまま
30年後に偶然再会を果たします。
知子は高校の同級生と結婚し、子供が二人いる専業主婦。
女優になる夢はとうに諦めて退屈な日々を送っています。
薫は難関大学を卒業後就職しずっと仕事を続け、
2年前には副部長となり、独身を通しています。
晴美は高校生の時に妊娠したのを機に高校を中退。
その後流産し、そのあとは仕事を掛け持ちしながら
カツカツの生活を続けて来ました。彼女も独身。

お互いの生活には、側から見れば安定、地位、自由など
自分が今持っていないものが必ずあって、
自分の生活と比べてどうしても羨ましく見えるもの・・・
口には出さなくても多くの後悔を抱えていた彼女らは
たまたま入った不思議な喫茶店の店員の言うままに
30年前の高校時代から人生をやり直す事になります。

過去に戻って彼女らが「二度目の人生」」に選んだもの、
それは何だったと思いますか?
皆最初の人生とは逆の人生を選びます、やはり。
知子は同級生とは結婚をせず女優の道を選び、
薫は逆に結婚をし、晴美は自分の店を持とうと努力します。
が、そんな第二の人生がしばらく続いた後に
三人は最初の人生に戻りたいと思うように・・・


皆さんは「30年前に戻れるよ?」と言われた時に
戻る派?それとも戻らない派?
私は・・・戻らない派です。
後悔はもうもうもう山のようにあります。
あの時に戻ってやり直せたら!と昔は何度も思ったし、
「生まれ変わってもまた一緒になろうね!」なんて
冗談でも夫には言いたくないしな。(お互い様! )
でも30年同じ時期を生き直すなんて、大変すぎる!
過去30年、自分なりにもう必死だったし・・・
やり直したらもっといい人生になるかもしれないけど、
いやもういい・・・いい気がする・・・
このまま年取って人生を終えるのがいい気がする・・・
でも私自身、家族を病気や事故で亡くした事がないので
そう言えるのかも知れませんが・・・

いろいろ考えさせられる物語でした。オススメです。




今日のリス友は、チビリスです。
枯れた根っこか何かを食べてるところです。
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原田マハ著「板上に咲く」を読みました。
この物語は、棟方志功と妻・チヤを描いた
原田マハ氏の得意なアート小説です。
IMG_20250110_163647no title25492幼い頃から絵を描くことが好きでそして達者で、
友人からも「スコ、もっと描いでけ」と頼まれては
絵を描いてあげていた志功少年は青森の生まれ。

17歳の時に雑誌でゴッホの「ひまわり」を見て感銘を受け
ゴッホを心の師と仰ぎ、作品制作活動に邁進し始めます。
「ゴッホの絵は燃えでらんだ、ワも燃える絵描ぐ」と・・・
後に同郷のチヤと知り合い結婚し子供も生まれるのですが
志功の作品は売れないまま極貧生活が続きます。
その中でも志功はひたすら制作活動に明け暮れ、
チアは必死で志功と家族を支え続けるのです。

志功の滑稽な程に純粋でひたむきで真っ直ぐな生き方と
それを一生懸命支えようと日々心を砕くチヤの姿が、
ただただもう美しいとしか言いようがなくて、
最初から最後まで泣きっぱなしでした。
なんてなんて美しい人たちなんだろうか・・・
本当こう言う話に弱いわあ・・・
津軽弁の響きが彼らの純朴さを強調する面もあって、
本当に心が洗われ、同時に温かくなる感動物語でした。
また、笑える場面も多々あってその辺も良かったです。

自分が東北弁ネイティブのせいだと思うのですが(笑)
志功やチヤの訛りの強い津軽弁の会話を読んでいるうちに 
どんどんそっちの喋りに引っ張られてしまって、
標準語の部分も、ついつい訛って読んですまって、
「こごは訛ってねがった!」ってなったがらね。
いやもう、彼らの訛りが思い切り郷愁を誘うというか、
私としてはその辺も大いに楽しめました。

で、棟方志功作品を色々ネットで調べてみたら、
見れば見るほどに、強さと一緒に愛嬌もあって
作者本人の魅力的な人柄が反映されていて・・・
「底抜けに明るく、感激屋さんで、褒められると大喜び、
嬉しいとすぐに相手かまわず抱きついたり、
頼まれれば、ホイホイ板画を作ってどんどん渡して・・・」
と言う志功は実は彼のほんの一部でしかなく、
普段は物静かに考え事をしている人だったそうです。

棟方志功記念館は昨年の春閉館され、その作品の全ては
今は青森県立美術館に展示されているのだそう・・・
いつか本物の棟方作品に会いに、是非行ってみたいです。
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今日のリス友は、チビリスです。
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道尾秀介著「 N(エヌ) 」を読みました。
IMG_20241208_181807IMG_20241208_213938道尾秀介氏の小説は今まで何冊か読んできましたが、
これは特に面白い読書体験のできる本でした。
( 「向日葵の咲かない夏」を読みました。 )

と言うのも、この本は全6章の短編から構成されていて、
読者はこの6章を好きな順番で読んでいって良いのです。
冒頭に「本書の読み方」が書かれているので
それに従って6章を好きな順番で読み進めますが、
本文が一章おきに上下逆転して印刷されてあって、
その辺からしてちょっと変わった読書体験が出来ます。
読む順番によって720通りの物語になる計算ですが、
それぞれの短編は他の短編と少しずつ繋がっているので
「ああ、この人が前の章で出て来た人か!」
「この人の過去にはこんな事があったのね?」
と、適当に選んだ順番でも全体の流れには全く支障がなく
次の展開が気になって一気に読めました。

この短編に出てくる人々は国籍も年齢も性別も様々で、
共通しているのは残酷な生い立ちだったり、
暴力と殺人、家族の自死、若い親の事故死、病死など
ほぼ全て「死」につながっていく物語なので
どの章も全体的に暗く重苦しい雰囲気なのですが、
海に咲くと言う「光の花」が救いや希望の象徴になっていて
読後感は決して悪くありません。
と言うよりも、最後には必ず救いがあるのだと思わされる、
希望や救済を強く感じる連作短編小説でした。
オススメです。





今度はネコ😺のクリスマスオーナメントを作ってみます。
前回のシロクマと全く同じ作りです。
まずはイラストから・・・いらないか?(笑)
IMG_20241028_102900この本は読む順番次第で720通りの物語になるので、
「もう一度別の順番で読み返してみようかな?」
とも思ったのですが、もう既にそれぞれの人物について
過去、現在、結末を知ってしまっている状態では
全く別の物語になる訳がないんだなと気がついて
やめました。
でも、こんな風に好きな順番で読んで良いです、となると
「ちゃんと話は繋がるのか!?」って心配になって(笑)
新しい章を読み始めるたびにちょっとハラハラでした。
皆さんもぜひぜひ、読んでみてください。





今日のリス友は、チビリスです。
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最近一気読みが続いています。 今回は・・・
中山七里著「護られなかった者たちへ」を読みました。 
IMG_20241017_111648去年同じ著者の「死にゆく者の祈り」を読みましたが
本当に読み応えのある小説だったので、
今回も期待して読み始めました。
( 「死にゆく者の祈り」を読みました。 )

佐藤健君主演ですでに映画化もされているようなので
内容を知っている人もいるかも知れません。
宮城県が舞台の物語だとは知らずに読み始めたので
仙台、石巻、登米、塩釜、岩沼、気仙沼などの
地名が出てくるたびに「おっ!」と思ったのですが、
貧困と生活保護の問題が軸になった重い物語なので
場所が身近なだけに重苦しい気持ちになってしまい
「これってモデルになった人でもいるのかな?」
とか色々考えてしまいました。

で、この物語の内容は・・・
仙台市内の空きアパートで他殺体が発見され、
残酷に「餓死」させられた遺体だったために
怨恨の線で捜査が進められるのですが、
犯人の目処も立たぬうちに同じ手口の殺人事件が発生。
被害者の二人は周囲から人格者と思われていた人物で
共通項は「塩釜福祉保険事務所」に勤務していた事。
彼らの仕事の一つが、生活保護申請者に対して
最終的な受給の可否を決定する事だったのですが・・・

一方、その二つの殺人事件の数日前に
8年の服役を終えて出所した模範囚の利根勝久は、
暴行と放火の罪で服役していた男。
その時の暴行の被害者が殺害された二人であったため
警察は利根を容疑者として追う事になるのですが、
利根やその周辺の人々、殺害された二人の過去には
生活保護という形で護られるべきだった人々の存在や
今の日本の社会の大きな歪みや問題が絡んでいて
暗い気持ちになる場面も沢山ありました。
でも、本当に読み応えのあるミステリーで、
最後のどんでん返しは「ああ、そうだったのか・・・」
と驚きよりも胸が締め付けられるような結末で、
著者からの今の社会や国政への強いメッセージも感じ、
これは多く人に読んで欲しい本だと思いました。




「クロエ」人形、完成しました。
スカート、少しボリュームが出過ぎました。
IMG_20241015_123000IMG_20241015_123430生活保護を不正に受給する人々の陰で
受給を受けられずに死んでいく人がいるとすれば
それはとてもまともな社会とは言えませんが、
護られるべき人がちゃんと護られるように
この本では「声をあげて下さい」とも訴えています。
「あなたは一人ぼっちではありません。
何度でも勇気を持って声をあげて下さい。
不埒な者が上げる声よりも、
もっと大きく、もっと図太く。」と・・・



今日のリス友。
またまたイタズラをしている白腹毛族のこの子です。
IMG_2585IMG_2586IMG_2589ライブドアアプリでフォローが出来ます。





梶よう子著「広重ぶるう」を読みました。
先日、葛飾北斎の人生を描いた小説を読んだばかりで、
( 「画狂老人卍」を読みました。 )
著者は違っても同じ江戸の絵師の物語を続けて読んだら
きっと面白いかも?と思って読んでみました。
IMG_20240917_145849実はこの「広重ぶるう」、注文しようか迷っている時に
NHKでドラマ化されていたことを知り、
ついついドラマを先に観てしまったのです。(笑)
広重役は「阿部サダヲ」で、面白いドラマだったので
原作も読んでみることにした訳ですが、
物語の中の広重が常に「阿部サダヲ」と重なってしまい
これは良かったのか悪かったのかわかりません。
でも、原作はドラマ以上に良かったです。

安藤重右衛門(=歌川広重)は武家の出身で
13歳の時に立て続けにふた親を亡くしたため、
若くして父に代わり火消同心の役目を担う事に・・・
その後自らの画才を磨くために歌川派の弟子となって
「広重」の名をもらうものの19年経っても売れず、
いつまで経っても安藤家の台所は常に火の車・・・
それでも妻の加代や幼い弟子の昌吉の存在に支えられ
愛する江戸の街を描き続ける重右衛門でしたが、
ある時、伯林(ベルリン)で作られたという藍色
通称「ベロ藍」という美しい色に出会い、
「この藍色で江戸の空を表現したい!」と思うように。
腕の良い摺師の技でベロ藍の美しいぼかしを入れた
「東海道五拾三次」を版行するとたちまち大人気となり
ついに重右衛門も人気絵師の仲間入りを果たします。
版元からの仕事は引きも切らず、饗応を受ける日々は
重右衛門が夢見ていた生活だったはずなのに
いつも「何か」が足りないと感じる重右衛門・・・
絵師は版元の要求に沿って絵を描いて報酬を得るもの、
自分の描きたいものだけを描ける訳ではなく。

そんな時、北斎翁からこんな事を言われます。
「おれとおめえさんとは同じ景色を見ても
まったく別な画になるんだよ。
おれはな、誰かと競うわけじゃねえし、
銭金だって望んじゃいねえ。
自在に万物を描ける絵師になりてえんだ。
名所絵なんざおめえにくれてやる。」と。

「自分が本当に描きたいものは何なのか?
自分の目指すところはどこなのか?」
重右衛門は自問自答をしながら絵を描き続けて
その答えを見つけて行くのですが、
その道のりがグネグネの曲がり道なのが
切ないやらおかしいやら悲しいやらで泣けました。
長編なので読むのに時間がかかりますがお勧めです。
でもやはりドラマは後から観た方がいいかな?



「ドミニク」人形の続きです。
イラストをもとにこんな風に生地を用意しました。
IMG_20240913_155335重右衛門が義弟の借金を肩代わりするために
不得手な枕絵を描く事になる場面があって
これはおかしかったです。
版元らに「広重師匠の枕絵は残念すぎるからもう描くな。」
と懇願されたり、江戸っ子たちのやり取りの
あけすけさや軽さも味わえて楽しく読めました。




今日のリス友はポコチン君です。
後ろの白い花は「クサギ(臭木)」と言う木ですが
花はジャスミンのようないい香りがします。
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原田マハ著「まぐだら屋のマリア」を読みました。
IMG_20240805_104331この本を「Amazon」で注文した時には
どんな物語なのか確かめて注文したはずなのですが、
その内容をすっかり忘れてしまい(←あるある)
表紙の絵だけをみて「物語の舞台はヨーロッパか?」
と早合点。いいえ、舞台は日本でした。

東京の老舗料亭で修業中の紫紋(しもん)は
同僚の晴香に思いを寄せながら、必死で働く毎日。
その料亭の闇の部分を知りながらも目をつぶり
一流の調理師を目指して努力を重ねていたのですが、
実は料理長と不倫関係にあった晴香が内部告発をして
結果、紫紋は大事にしていたものを全て失う事に。
その内部告発がきっかけで後輩・悠太は自殺を図り、
夢も仲間も失った紫紋は、人生の終わりの地を求めて
彷徨った果てに、小さな漁村にたどり着きます。

「まぐだら屋」と言う小さな料理屋に入り、
そこで「マリア」と呼ばれる30代の店主に助けられ
結局はその店で働く事になるのですが、
実は店の所有者であり全権限を持つ老女がおり、
マリアの働きぶりや自分へのひたむきな献身をよそに
マリアに対して冷酷な態度を取り続けているのでした。
紫紋は二人の関係性に疑問を抱きながらも、
訳ありげなマリアの過去には触れる事ができず・・・

後に、店先で行き倒れる丸弧(まるこ)と言う青年、
昔マリアが愛し、結果大きな罪を共に背負う事になった
与羽(よはね)と言う男などが登場しますが、
シモン、マリア、マルコ、ヨハネ・・・
全て新約聖書に登場する人物の名前です。
それぞれに「許される事のない罪」を背負って
一度は死んで罪を贖おうとした人々の再生の物語ですが、
その再生の道筋には常に質素でも温かな食事があって、
「いつだって食べる事は生きる事なのだ!」
と強く感じさせられる物語でした。

ただマリアと与羽の関係がちょっとねえ・・・
ネタバレになるので詳しくは言いませんが、
「そこまでするか!?」とドン引き。
「愛ってこんなにも人を狂わせてしまうのね?
ひえ〜〜〜怖いよ〜〜〜」って感じでした。
何の事か知りたい方はぜひ読んでみてね。てへっ。





「ミリム・ナーヴァ」人形、ここまで出来ました。
IMG_20240725_165928IMG_20240727_143924IMG_20240727_153336本当に、食べる時くらい「生きている」事を
実感する時はないように思います。
こんなお気楽な私でもこれまで何度も落ち込んで
「もうダメだ・・・」と思った事もありますが、
そんな時でも当然お腹は減るんですよねえ。
「え?こんなに落ち込んでる時に?猛烈に悲しいのに?
私の腹、不謹慎すぎないか?空気読めよ?」ですよ。
で、投げやりな感じで何か食べる訳ですが、
「まだ食べられる=まだ行けるかも?」になって
悲しいながらも、徐々に元気になっていくのでした。

以前何かで読んだか誰かから聞いたかなのですが、
「人は寒くて空腹だと死にたくなる」らしいのです。
やっぱり温かい食べ物って大事よねえ。
あ、酷暑の時に言ってもダメかなあ?




今日は鳥友です。
久しぶりに「ステラーズジェイ」が来てくれました。
相変わらず、声は「ギャアギャア」怪獣みたいです。
見た目はこんなに綺麗なのに、声が残念すぎる。
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高野秀行著「語学の天才まで1億光年」を読みました。
IMG_20240315_154328高野秀行氏の著書は去年2冊ほど読んで
どちらも本当に面白いノンフィクションでしたが、
今回も非常に興味深く楽しく読めました。
( 「異国トーキョー漂流記」を読みました。 )
( 「辺境メシ」を読みました。 )

この本に書かれている猛烈ぶったまげ体験談は
著者が19歳から29歳までの10年間の実体験で、
ミャンマー、アフリカ、アマゾンなどの辺境の地を
情熱的に巡った経験を綴ったノンフィクションです。
ある時はアヘン栽培を体験するために、
またある時は謎の生物「ムベンベ」を探しに。
「高野さんて人は、どんだけ辺境好きなわけ?」
と何度も呆気に取られてしまう内容になっています。

この本のテーマは表題の通り「語学」なのですが、
謎の生物や未知の少数民族などを探すためには
現地の言語を学ぶ事が一番大事なスキルであり、
高野氏は新たな探検に出発するたびに、
新たな言語を学ぶことになります。
語学学校に通えれば上等で、文字もない言語となれば
現地で手探りで学ばねばならず、その苦労たるや・・・
が、彼の強烈な辺境愛の前にはそんな苦難もなんのその
現地の人々と熱い友情を築き上げながら
その言語をものにしていくのでした。
その辺の経緯は驚嘆&敬服&ある意味羨望すら感じて
本当に楽しく読めました。

私がしみじみ感心し笑ってしまったのは、
高野氏がアフリカに行くためにフランス語を学んだ後、
パリに行った時の話でした。
人々の憧れの地にいながら全然楽しくなかったそうで
理由が、謎の生物も未知の少数民族もいないから、と。
おフランスはそんな国じゃないですからね。
高野氏の言語を学ぶ時の純粋なワクワクは、
「謎」のものに出会いたいと言う冒険心から来るわけで
全編通じて、彼の猛烈な「辺境偏愛」が感じられて
清々しいほどでした。おすすめです。



今日のリス友。
そこらの雑草なんか食べちゃって、
引き続きダイエットに励んでいるらしいモッフーですが、
ちょっぴり食べてもうおしまいでした。
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先日「球根セール」で買ったアマリリスが
綺麗に咲いたので切り花にしました。
鉢植えのままだと私以外は誰も見ないので
花瓶に飾りましたが、どうでしょう?
ゴージャス〜ですよね?✨✨✨
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話は変わって・・・
井原忠政著 「弓組寄騎仁義」を読みました。
「三河雑兵心得」シリーズの第4弾です。
百姓だった茂兵衛(17歳)が足軽となり、
そこから彼の才覚でどんどん出世をしていく
痛快爽快戦国足軽出世物語です。(漢字過多)
IMG_20240315_154408前回の話では「足軽小頭」となり、
10人の手下をまとめる頭となった茂兵衛ですが、
( 「足軽小頭仁義」を読みました。 )
今なお変わらず、家康を主君として仕えており、
今回は松平善四郎率いる弓組の筆頭寄騎として
ついに騎乗の身分となっています。
とは言え、歳若く小柄で非力、弓以外の武芸も不得手で
ついでに馬も苦手なダメダメな頭・善四郎と共に、
自身も馬に乗るのは初めての茂兵衛は、
山野を騎馬でかけるのが日課となっているのでした。

で、ある時、茂兵衛は善四郎から嫁取りを勧められ
その相手はなんと善四郎の実の姉・寿美・・・
寿美は出戻りとは言え歴とした松平家の人間であり
初恋の人・綾女の事をまだ忘れられずにいる茂兵衛は
なんとも複雑な心境に・・・
が、寿美の方が先に茂兵衛にぞっこんとなり(笑)
なんだかんだで二人はめでたく夫婦になります。

今回はさほど派手な戦いの場面はありませんが、
武田信玄の亡き後を継いだ武田勝頼との攻防や、
先の戦いで信長の助言を聞かず大敗した家康と
強大な勢力を持つ信長との微妙な関係性など、
「家康って最初はこんなに劣勢だったのね?」
と日本史に疎い私は改めて知る事ばかりでした。
(史実に基づいているので、大筋は合ってるはず。
冷徹で強力な信長を心底恐れながらも、
道を切り開こうとする苦労人・家康の姿が
鮮やかに目に浮かぶようで読んでいて楽しかったです!

善四郎が、茂兵衛や一人の足軽の勇敢な行動に心打たれ
自身も大きく成長していく姿もとても清々しく・・・
そしてこの回では茂兵衛だけでなく
弟の丑松、朋輩の辰蔵もめでたく嫁を迎えます。

茂兵衛の出世は自身の才覚と人柄によるものなのですが
同時に人々の取り立てや影の配慮によるものも大きく、
茂兵衛は今回その事を改めて知る事となり、
多くの人々の思いが又彼を大きく成長させるのでした。
このシリーズ、月に一冊づつ読もうと思っていましたが、
先が読みたくて読みたくてしょうがないのです。
でも逆に少しずつ楽しみたい気持ちもあって、
ちょっと困っています。 




今日のモッフー。
またどこかで地面を掘ってきたらしいです。
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一穂ミチ著「青を抱く」を読みました。
IMG_20240228_154234 「ボーイズラブ」が大好きな方におすすめの本です。
BLコミックに出て来るような美しい青年たちを
好き勝手に想像しながら読むと盛り上がれます。(笑)

小さな海辺の街で暮らす泉(いずみ・男性)26歳は
毎日海岸でゴミを拾うことを日課にしていますが、
ある日、その海岸で弟の靖野(しずの)にそっくりの
男性を見かけ思わず「しずの」と声をかけます。
実は彼の弟は水難事故で2年前から昏睡状態で、
以来、泉の心が晴れる日はなかったのです。
しかも事故の前日、泉は弟から「好きだ」と告白され
心の整理もつかないまま弟は事故?で昏睡状態に・・・
「泳ぎが誰よりも得意な弟がなぜ?」と言う思いを抱え
苦しんでいた時に、弟そっくりの男・宗清が登場して
泉の気持ちは乱れていきます。
宗清のストレートなアプローチに反発しながらも
どんどん彼に惹かれていく泉・・・

二人のイチャイチャシーンは結構生々しく描かれていて
「おおおおお!」と思いましたが(笑)
この本のタイトルと青い表紙のせいもあってか、
彼らの関係性が青く透明で美しかったです。💎✨💎✨

ちょっと出来過ぎなストーリーではありましたが、
なぜ靖野と宗清がそんなにも似ているのか?に繋がる
彼らの母親たちの物語もちょっと描かれていて
とにかく優しい人たちばかりが登場するいい物語でした。
BL好きな方におすすめです。




「ラオフェン」人形、完成しました。
IMG_20240304_172555IMG_20240305_105546IMG_20240305_105415小説にせよ、ドラマや映画にせよ、このBLものを
普通の男女の設定だったならばと想像してみると、
途端に全てのキラキラエピソードが色褪せて
ありふれた陳腐なラブストーリーに感じてしまうのは
本当どうしてなのでしょうねえ?
なんだかんだ言っても、まだまだ今の世の中では
ボーイズラブは障害も多く成就、継続が難しいもの、
だからこそ、それが出来た彼らは美しい・・・
こんな感覚なのかなと思います。
しかもドラマや映画の中の彼らは美しい人ばかりだし
妄想が膨らむのもしょうがないよね・・・




今日のリス友。
クルミを堪能中のピコチン君です。
完全に蘇ったピコチンの尻尾を見よ!短いけど。
IMG_0960ライブドアアプリでフォローが出来ます。

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