王谷晶著「ババヤガの夜」を読みました。
本の帯にもある通り、日本人作家では初めて「ダガー賞」(ミステリー文学賞)を受賞した作品。
私は王谷晶氏の作品を今回初めて読んだのですが、
200ページと短い事もあり、一気読みでした。
で、「『ババヤガ』って何?」と思いました。
作中にはこの言葉自体は一度も出て来なかったので、
最後まで何の事か分からなかったのです。
調べたら「ババヤガ(バーバ・ヤーガ)は、
スラブ民話に登場する『森に住む魔女』のことで
子供を食べるなどの恐ろしい伝説を持つ妖婆です。
日本の山姥や鬼婆に相当し、時に人を助け、
時に災いをもたらす存在として描かれます。」
とありました。なるほど・・・🤨🤨🤨
この物語の主人公は「新道依子」22歳。
名前の感じとは真逆の筋骨隆々暴力大好き女子です。
幼い頃より祖父から圧倒的「暴力」を教え込まれ、
暴力が唯一の趣味と言う女子に成長しました。😅😅😅
ある時その腕力を買われて、暴力団・内樹會会長の
一人娘の運転手兼護衛を任されることに・・・
その娘・尚子は短大に入ったばかりの18歳で
幼い頃に男と失踪したきりの母と激似の美貌の女子。
そんな経緯もあり父の束縛と溺愛は常軌を逸していて
着る物すら制限される生活を送っているのでした。
粗野な依子は上品な尚子に日々反発されながらも
尚子を待つ残酷すぎる未来を知ることになります。
それは、拷問を愛するドS変態男・宇多川との結婚で
尚子は完全に絶望しながら生きていて・・・
かと言って尚子に同情心も湧かない依子なのですが
ある出来事をきっかけに物語は大きく動き出します。
物語には途中大きな「トリック」が用意されていて
私は最初そのトリックに完全に嵌められて、
「あれ?私一瞬気を失ってた?どこか読み飛ばした?
それともこの本がミスプリントなの?」
と何度も前後のページをめくったり読み直したり
しばらくは理解が追いつかず焦った焦った。😆😆😆
これ以上は完全ネタバレになるので書きませんが、
はあ〜こう言う感じの小説を滅多に読まないので
すごく新鮮で完全に引き込まれましたよ。
えげつなさ全開の暴力や拷問の描写が多いので
この物語は好き嫌いが分かれそうなのですが、
圧倒的暴力と残酷さで救いがなさそうな物語なのに
どこかに誰かのための小さな光が灯されている感じで
不思議と読後感が温かいと言うか清々しいというか、
エンタメ性もかなりあって私は楽しめました。
私は王谷晶氏がどんな方かも知らなかったので
名前から男性か女性かも判断できずまたググりました。
40代の女性なのですね。なんだか納得でした。
自身がレズビアンである事も明かしているとかで、
この物語にもある「名前の付けられない曖昧な関係」
「互いの曖昧な感情や考え方」を受容していく事が
社会や人々の関係性をよくして行くのでは?
と言う考え方が王谷晶氏の根底にあるようです。
ともあれ、おすすめの本です。
トリックに嵌まって「え!?」ってなって下さい。
今日のリス友は、ポコチン君です。
相変わらず可愛いです。❤️❤️❤️


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