万城目学著「八月の御所グラウンド」を読みました。

これまでも何冊か読んできましたが、
この本もやはり不思議な感じで楽しく読めました。
( 「悟浄出立」を読みました。 )
( 「偉大なる、しゅららぼん」を読みました。 )
物語の舞台は真夏の京都です。
朽木(くちき)は大学生生活最後の夏を
彼女の故郷、高知で過ごすはずだったのが、
直前に「あなたには火がないから。」と振られて
地獄のように暑い京都に居残る事に・・・
が、友人・多聞に頼まれて草野球チームに参加し、
毎回ほぼ寄せ集めのメンバーで試合をしながら
「たまひで杯」での優勝を目指す事になります。
「たまひで」とは半世紀前大人気だった芸妓の名で、
彼女に憧れた当時の学生たちが始めたのが「たまひで杯」
そして、これは翌年の卒業が絶望的な友人・多聞が、
教授から交換条件として提案された事なのでした。
「大学を卒業させてやるので、その見返りとして
『たまひで杯』で優勝して、『熟女たまひで』からの
『ほっぺにチュウ💋』を勝ち取るのだ!」と言うもの。
と、全体的にふざけた話ではあるのですが、



実はいろんな切ないエピソードが盛り込まれています。
真夏の京都の「御所グラウンド」での早朝草野球に
実際ノリノリで参加しようと言う酔狂な者はほぼおらず
試合当日の朝に人数が揃わないのは毎度の事。
が、通行人に頼んで試合に出てもらったりしながらも
なんと半世紀もの間、不思議と必ず「助っ人」が現れて
その「たまひで杯」は続いてきたのだとか・・・
で、実はどうも「あの世」の選手も混じっているらしい。
そして、その夏も例年通り人数の揃わない日が続いて
たまたま近くに居た若者らに参加を頼むのですが、
一人は伝説の名投手「沢村英治」その人で、
彼の友人たちもどうやら若くして戦死した者らしく。
実際にはあり得ない設定なのですが、
強烈な日差しと暑さの中での不思議な出来事は
「こんな事ももしかしたらあるのかもしれない・・・」
と言う気持ちにさせられて、読後感は良かったです。
「ベニマル」人形完成しました。
色々細かくてこれは時間がかかりました。





それもあって今回読んでみたのですが、
個人的には他の作品の方が面白かったかな?



今の所、短編集「悟浄出立」が私の一押しです。
今日のリス友はモフリちゃんとポコチン君。
朝からお互いに牽制しあってドタバタでした。







