人魚がドレスに着替えたら

美しい自然がいっぱいの、アメリカ・オレゴン州に住んでいます。 手芸が大好きで、今はせっせと着せ替え人形を作る日々です。 出来上がった人形の紹介や日々の出来事、庭に遊びにくるリス友の様子など、いろんなことを綴っています。

タグ:国宝



吉田修一著「横道世之介」を読みました。 
20260108_091942この著者の作品を読むのはこれで二作目ですが、
一作目の「国宝」がすごい感動的だったので
この作品もかなり期待して読みました。
帯を見たらすでに2013年に映画化されていて
高良健吾さん、吉高由里子さんらが出演のようです。
せっかくなので予告をちらっと観てみましたが、
個性的で魅力的な若者が多く登場する物語のせいか、
本を読む過程で「自分の世之介」が出来上がっていて
「映画の世之介」と「自分の世之介」を重ねるのが
微妙に難しく感じました。あるあるですね?😅😅😅

帯にもある通り世之介・18歳の青春記なのですが、
描かれるのは世之介が長崎から東京に出て来てからの
一年間に出会った人々とのあれこれ・・・
大学進学のために東京に出て来た世之介ですが、
生来のお気楽&押しには弱いが真っ直ぐな性格で
人々に笑いと安息のようなものを与えていきます。
サンバクラブへの強制入部、友人の想定外の結婚、
ゲイの友人宅に夏季限定の居候、お嬢様との恋など、
世之介の人見知りしない性格がそうさせるのか、
人々は知らぬ間に世之介に癒されていて・・・

彼の最大の魅力は等身大の自分を知っている事。
それ以上でもそれ以下でもない自分を受容していて
だからどんな人にもどんな事にも正面から向き合えて
そのまま受け入れるしなやかな強さがあるのです。
本人すらもそれを強さや美徳とは自覚しておらず、
なんだか飄々としたおかしみで溢れた人間・・・
目指しても簡単には辿り着けない所にいる気がして
私が一番、こんな人になれたらと思うタイプの人、
それが「横道世之介」でした。

18歳の若い男子の青春そのものの物語でしたが
還暦過ぎおばさんでもすごい楽しめました。
読後感は清々しく最高なので超おすすめですが、
最後の最後のページでは号泣必至ですよ。😭😭😭




今日のリス友は、雨の日のチビリスです。
20260107_12404420260107_124033ライブドアアプリでフォローが出来ます。




吉田修一著「国宝」(上・下)を読みました。
20250531_102118上下巻ある長編小説を読んだのは・・・
村上春樹著「海辺のカフカ」を読んで以来です。
( 「海辺のカフカ」を読みました。 )
その時は春樹のキテレツワールドに当てられ、
「はい???」が渦巻き放心してしまったのですが、
今回の物語は別の意味で(笑)読了後は完全放心。
本当にすごい物語でした。(春樹ファン、ごめん。😆😆😆)

長崎の任侠の家に生まれ育った立花喜久雄は
15歳の時に組同士の抗争で父を失い、一門は没落。
その後、元々芸事に才のあった美貌の喜久雄は、
上方歌舞伎の大名跡の一門・花井半二郎の部屋子として
芸を磨いていく事に・・・
半二郎には喜久雄と同年の俊介と言う跡取りがおり、
彼らはともに切磋琢磨しそれぞれの持つ独特の魅力を
お互いに磨いて行く日々を送っていきます。

が、後に半次郎が怪我をし代役を立てねば無くなり
半二郎はそれを俊介ではなく喜久雄に任せた事から、
それまでの均衡や平穏は崩れていきます。
心の内を隠して、喜久雄の稽古の相手役を務めた俊介は
喜久雄が無事千穐楽を終えられた後、出奔。
俊介の10年の出奔の間に、喜久雄は三代目半二郎となり
二代目半二郎はついには病に倒れ・・・

10年の辛苦の空白を経て、俊介は花井家に戻り
妻と一人息子と共に新しい生活を築く事に努力し、
また喜久雄と共に舞台を踏み名声も得ていきますが、
無情にも俊介の体は父と同じ病に冒されていき・・・

光が強く当たる程に陰は濃くなると言うのは本当で、
誰かの苦悩や不幸の上に誰かの栄光が築かれるのか?
と思いたくなる物語ではありましたが、
一貫して描かれる役者たちの「狂気」のようなものが
素直に心に刺さって感動しました。

芸を極め「人間国宝」となった喜久雄は、
これ以上の先はないと思われる至高の芸の先に
一体何を求めて舞台に立ち続けるのか・・・
狂人になるしか道はないのか・・・
最後は静かに涙してしまう素晴らしい物語でした。
超超超おすすめです。😊😊😊


もう少しで映画も公開されるみたいですね。
原作を読んでから観た方が更に深く感動できそうです。






今日のリス友は・・・誰?😅😅😅
IMG_4872IMG_4874IMG_4875IMG_4882ライブドアアプリでフォローが出来ます。



↑このページのトップヘ