人魚がドレスに着替えたら

美しい自然がいっぱいの、アメリカ・オレゴン州に住んでいます。 手芸が大好きで、今はせっせと着せ替え人形を作る日々です。 出来上がった人形の紹介や日々の出来事、庭に遊びにくるリス友の様子など、いろんなことを綴っています。

タグ:好色一代男



朝井まかて著「阿蘭陀西鶴」を読みました。
20260906_230403朝井まかて作品を読み始めたのは去年の事でしたが、
どの作品も素晴らしく毎回感動して来ました。
そして、今回読んだこの作品は多分8冊目・・・
表題の通り、作家・井原西鶴を描いた物語で
舞台は江戸前期の大阪です。

西鶴は元々俳諧師として俳諧の指導や添削をして
生計を立てていた人でした。
画才もあった人でしたが、ある時から作家業も始め
あの!「好色一代男」で一躍有名に・・・

西鶴には「おあい」と言う盲目の娘と息子が二人おり、
おあいが9歳の時に妻女が亡くなったために、
おあいだけを手元に残し息子たちは養子に出します。
おあいは盲目でありながら、料理も裁縫も達者で、
手前勝手でええ格好しいの父に毎度振り回されつつも
常に客を丁寧にもてなし礼を尽くして行くのでした。
父・西鶴はそんなおあいを常に客に自慢して、
それすらおあいにとっては迷惑な事だったのですが、
西鶴の「好色一代男」の執筆過程で物語を知るにつれ
父への想いが少しずつ変化していく事に・・・

何か障がいがあれば、多くの場合は家の秘密として
隠されて家に閉じ込められるのが普通だった時代に、
西鶴は逆に盲目のおあいを自慢の娘として大事にし、
一見わがまま勝手に周りを振り回すように見えて
実のところは人間観察に優れ、誰よりも人の心を読み
愛情深い人間であった西鶴が描かれています。
同時に妻におあいを託された西鶴の覚悟も描かれて、
おあいは深い幸せに包まれて行くのです。
なので今回もやっぱり最後は涙々で感動・・・😭😭😭
本当にいい物語でした。

「好色一代男」は授業で習っただけで読んだ事もなく、
「好色」と付いているので、「ただのエロ話なのか?」
なんて非常に浅はかな事を思っていましたが、😆😆😆
江戸版光源氏の「世之介」が世の雑多で多様な恋愛を
粋に体験→末路が描かれた壮大な恋愛小説のようで、
初の一般庶民向けベストセラー小説だったのですね。
訳本でも読んでみようかとちらっと思いましたが、
う〜〜〜ん、そこまでしなくても良いかな?(笑)




今日のリス友は・・・
私が上げたクルミをミンミンに取られそうになり
ブチギレてミンミンを追い回しているモッフーです。
モッフー、もう必死です。😆😆😆
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吉田修一著「横道世之介」を読みました。 
20260108_091942この著者の作品を読むのはこれで二作目ですが、
一作目の「国宝」がすごい感動的だったので
この作品もかなり期待して読みました。
帯を見たらすでに2013年に映画化されていて
高良健吾さん、吉高由里子さんらが出演のようです。
せっかくなので予告をちらっと観てみましたが、
個性的で魅力的な若者が多く登場する物語のせいか、
本を読む過程で「自分の世之介」が出来上がっていて
「映画の世之介」と「自分の世之介」を重ねるのが
微妙に難しく感じました。あるあるですね?😅😅😅

帯にもある通り世之介・18歳の青春記なのですが、
描かれるのは世之介が長崎から東京に出て来てからの
一年間に出会った人々とのあれこれ・・・
大学進学のために東京に出て来た世之介ですが、
生来のお気楽&押しには弱いが真っ直ぐな性格で
人々に笑いと安息のようなものを与えていきます。
サンバクラブへの強制入部、友人の想定外の結婚、
ゲイの友人宅に夏季限定の居候、お嬢様との恋など、
世之介の人見知りしない性格がそうさせるのか、
人々は知らぬ間に世之介に癒されていて・・・

彼の最大の魅力は等身大の自分を知っている事。
それ以上でもそれ以下でもない自分を受容していて
だからどんな人にもどんな事にも正面から向き合えて
そのまま受け入れるしなやかな強さがあるのです。
本人すらもそれを強さや美徳とは自覚しておらず、
なんだか飄々としたおかしみで溢れた人間・・・
目指しても簡単には辿り着けない所にいる気がして
私が一番、こんな人になれたらと思うタイプの人、
それが「横道世之介」でした。

18歳の若い男子の青春そのものの物語でしたが
還暦過ぎおばさんでもすごい楽しめました。
読後感は清々しく最高なので超おすすめですが、
最後の最後のページでは号泣必至ですよ。😭😭😭




今日のリス友は、雨の日のチビリスです。
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