辻村深月著「傲慢と善良」を読みました。
以前同じ著者の「東京會舘とわたし」を読んで
とても良かったので、今度もきっと面白いはず!
と思って読みましたが、テーマが大きく違うので
読後感はかなり違いました。
( 「東京會舘とわたし」を読んだ感想 )

とありますが、わたし自身は特に前半部分で
自分の中の「傲慢さ」をずっと責め立てられているようで
「えええ、この話ずっとこんな感じが続くの?
読み続けるのがキツくなって来た・・・・」
と、はじめは楽しむ事ができませんでした。



これは、歪んだ愛情を押し付ける親に閉口しながらも、
善良な故にずっと親の言いなりだった「真実(まみ)」が
30歳を過ぎて初めて一人暮らしを始め、
初めて自分で婚活を始め、初めて「この人だ!」
思う相手「架(かける」」に出会い結婚するまでの物語。
真実は架がなかなか結婚を決めない事に焦って、
一世一代の嘘をつき架に結婚を決めさせるのですが、
その嘘は架の女友達には始めからばれていて、
それを知った真実は突然失踪してしまいます。
誰の中にもある「傲慢さ」を色んな角度から
これでもかと指摘される感じがもう・・・
「ごめんなさい!わたしが悪うございました!」
と心の中で何度も土下座してしまいました。



ここで言う「傲慢さ」とは「人を選ぶ」と言う傲慢さで
「なんかこの人『ピンとこない』・・・」みたいな
絶対誰にでも経験のある感覚を「傲慢」と呼んでいて
わたしももちろんそれに異論はないのですが
「それぐらい許してくれよ?」と思ってしまうし
「そんなに罪悪感感じないとダメかい?」
みたいな更なる「傲慢さ」が顔を出す始末で。



でも、後半真実が失踪してから、彼女の生活拠点が
「仙台」「石巻」と移っていくあたりで
「傲慢」方面の話がなくなって行きホッとしました。
心の奥底の醜い部分を分析して見せられると
必ず自分にも当てはまって来て「嫌だ!見たくない!」
と言う気持ちになって来ますね・・・はあ。



「スターファイアー」の続きです。
イラストをもとにこんな風に生地を用意しました。
色がもう派手派手です。

自分の心をしっかり見つめ直したい人には
多方面からの視点があって、なるほど!かもしれません。
私も人生後半戦となり、自分と他人の傲慢の中で
それなりに傷つけ傷つけられてきた事を思えば、
「その『傲慢』は普通じゃね?」と思う気持ちが湧いて
「真実ちゃん」の傲慢と善良が只々初々しく見えました。
おばさんには彼女の必死さが眩しかったよ〜



今日のリス友の「傲慢と善良」・・・
「おはようございます!クルミ特盛りで!」





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