人魚がドレスに着替えたら

美しい自然がいっぱいの、アメリカ・オレゴン州に住んでいます。 手芸が大好きで、今はせっせと着せ替え人形を作る日々です。 出来上がった人形の紹介や日々の出来事、庭に遊びにくるリス友の様子など、いろんなことを綴っています。

タグ:翻訳本



クリス・ウィタカー著(鈴木恵訳)
「われら闇より天を見る」を読みました。
20250701_113927普段はあまりミステリーは読まないのですが、
このミステリーは最後は号泣必死の物語でした。

この物語は、アメリカ、カリフォルニア州の
海沿いの美しい町ケープ・ヘイブンが舞台ですが、
30年前に、7歳の少女・シシーが
浅瀬で遺体として発見された事件が全ての始まり。
15歳の少年・ヴィンセントが誤って彼女を車ではね、
死なせてしまった事が発覚し彼は刑務所行きとなりますが
当時シシーの姉スター・15歳はヴィンセントの恋人で、
その事件は、彼女らの家族だけでなく街の人々にまで
大きな影を投げかけ運命を変えていく事になります。

妹を恋人ヴィンセントの過失で失いながらも、
スターはヴィンセントを忘れることができず、
心身を病みながら父親のわからない子供を二人出産。
その荒廃した家庭で育ったダッチェス・13歳は
6歳の弟を母の代わりに守り育てているのですが、
常に心に怒りや悲しみを抱える彼女は乱暴者で
どこにも安らげる場所のない生活を続けていました。
そんな彼女を助け見守り続けて来たのが、
ヴィンセントとスターの親友のウォーク(警察官)で
ダッチェスにとって唯一信じられる大人であり続けます。

その後30年の刑期を終え出所したヴィンセントですが
その日から日をおかず、また事件が発生します。
ダッチェスの母・スターが何者かに殺害されるのです。
その後のダッチェスと弟・ロビンが経験する生活は
また困難や辛苦の連続の苛烈なもので・・・
一度も心から笑った事のないような人生でも、
ダッチェスは弟の幸福だけを願いながら必死で生き続け
最後には一筋の光を手にする事になります。
それはあまりにも悲しく美しい真相でしたが・・・

訳本特有の読みにくさを少し感じましたが、
最後は大感動、ダッチェスの強さと優しさに号泣でした。
500ページの長編なので読むのに時間がかかりますが、
おすすめです。😄😄😄



ところで、しまいっぱなしだったオットマンに
新しいカバーを作ってかけ、蘇ってもらいました。
これ自体は23年前に買ったものなのですが、
多色の柄が今のエンテリアに合わなくなってしまい
別のカバーを掛けねばと思っていたのです。
(でっかいホッチキスで適当に留めました。)
この色を加えた事で、色味の違うグリーンが増え
程よい「ダサさ」が加わりました。😆😆😆
このダサさが居心地の良さにつながるはず。😅😅😅
20250630_15561920250630_15562820250630_15590520250630_16012820250630_16045220250630_162646


































































































































































今日はウサ友です。
大きくなりすぎて刈り取った野菜を置いておいたら
チビちゃんが来て食べてました。🥰🥰🥰
IMG_5098ライブドアアプリでフォローが出来ます。


カーレド・ホッセイニ著「千の輝く太陽」を読みました。 
著者は1965年にアフガニスタンのカブールに生まれ
1980年にアメリカに亡命後、医師として働きながら
執筆活動を始めた人なのだそうです。
IMG_20230430_110540この物語もアフガニスタンが舞台です。
1959年に望まれぬ子として生まれたマリアムの
壮絶な一生が物語の軸になっているのですが、
女性の自由も人権もほとんど無視された世界で
20歳以上も歳の離れた男と結婚させられ
夫の日常的な激しい暴力にひたすら耐え、
逃げ場のない中でもひっそりと品格を磨いて
大事なもののために静かに死んでゆく女性の物語です。
フィクションとは分かっていても、
彼女の人生の残酷さ苛烈さに「もうやめて・・・」と
息が苦しくなるような感覚を何度も味わいました。
私には嫌なら逃げる場所はいくらでもあるのに
彼女にはそれが全くない。
選択肢など最初から与えられていないのです。
こんな世界に生きる女性がいるなんて・・・
正気でいるのすら困難な世界に見えました。
それでも彼女の人生の後半には時々光も差して、
ライラと言う、マリアムの娘と言ってもいいような娘が
これも残酷な運命で同じ夫に仕える事になるのですが
ライラと、のちに生まれた彼女の子供達と過ごす時間が
マリアムに少しづつ安息をもたらすようになります。
彼女らの夫が不在の間だけの小さな幸せではあっても
マリアムにとっては自分の命よりも大事な宝となり・・・
その思いが結局は悲劇へとつながっていくのですが、
マリアムが命をかけて守ったものたちが
最後には自由と幸せをつかんでいく姿に涙なみだでした。

翻訳本なので、登場人物たちの名前がカタカナなのが
私には読みにくくて(笑)時間がかかりましたが、
本当にお勧めです。


「サツキ」人形の続きです。
イラストをもとにこんなふうに生地を用意しました。
IMG_20230307_130719この物語はアフガニスタンの史実に沿って流れるので
マリアムのように自由を奪われ生きる女性だけでなく
多くの男たちも内戦による戦死、虐殺、拷問などで
過酷な人生を歩むことになります。
こんな物語を読むと、自分には彼らのような強さが
果たしてあるのだろうか?と自信がなくなってくるし
同時に「自分にも家族にも友達にもきっとあるんだ!」
と祈りにも似た気持ちも湧いてきます。
結局は、愛される事よりも「愛する事」・・・
これが心を磨いていくのだなあと思わされました。


今日のリス友。
久しぶりの「夢の共演」です。
手前がモフモフちゃん、後ろの影がピコチン君です。
IMG_8735IMG_8734
動画も作っています。


LINEで更新のお知らせが届きます。


↑このページのトップヘ