三浦しをん著「風が強く吹いている」を読みました。

本当に楽しく読めました。
笑いあり涙もありで読後感は最高に良かったです。
「竹青荘」と言う超オンボロアパートに住む
男子大学生10人は、リーダー格の清瀬の音頭で
突如として「箱根駅伝」を目指す事に・・・
が、陸上競技経験があるのは10人中3人だけで、
しかも箱根駅伝への出場権を得る「予選会」まで約半年、
寄せ集め集団の無謀すぎる挑戦が始まります。
清瀬が中心となり、早朝からの走り込みに始まって
大学から戻った後は夕方から夜にかけての練習など、
彼らは急速に絆を深めながら日々成長を続けます。
物語の前半は、予選会を通過するあたりまで続きますが、
本当に読み応えがあったのは後半部分で、
箱根駅伝両日を詳しく描いた場面でした。
一区20キロほどの距離を10人で襷を渡しながら
10区を走り切るその二日間の模様が詳しく描かれて
一人一人の人となり、生き方も同時に語られ、
駅伝当日の様子は一気読みという感じでした。
とここまで、つらつら感想など書いてきましたが、
実は私「箱根駅伝」の事をほぼ何も知りませんでした。
もちろんその存在は知っていましたが、
むか〜し実家でお正月に家族がテレビで観ていたのを
本当に漫然としか観ていなかったので、
「箱根駅伝だもの箱根周辺を走ってるんだろうね?」
とすっとぼけた事を思っていたのです。



まさか東京ー芦ノ湖間を往復する駅伝だなんて
この本を読むまで知りませんでした。バカ。



この本のおかげで各コースについても急に詳しくなり
「箱根駅伝」の見方を完全マスターしました。



帯に「純度100%の青春箱根駅伝小説」とありますが、
本当にその通り。
若い彼らの痛みや迷い、苦悩、恐れ、怒りなどなど
状況は違えど「私もそうだった!」と共感する場面も多く
何度も何度も泣かされましたよ。



箱根駅伝が好きな方にもそうでない方にも
猛烈におすすめの本です。
今回は「クリスマスツリー」のオーナメントです。
イラストはこんな感じで・・・

走り続けられるのだ。」
「勝利の形はさまざまだ。生きるうえでの勝利の形など
どこにも明確に用意されていないのと同じように。」
「選ばれなくても、走りを愛することはできる。
抑えがたく愛おしいと感じる心のありようは
走るという行為がはらむ孤独と自由に似て燦然と輝く。」
こう言う言葉にしみじみ希望や勇気をもらいました。
今日のリス友もピコチン君です。


